【インドネシア株】テレコムニカシ・インドネシア
はじめに
テレコムニカシ・インドネシアをご存知でしょうか。インドネシア国営の電話会社です。株の半分を国が持っています。日本で言うNTTやNTTドコモみたいなものですね。インドネシア証券取引所に上場しています。NYSE:ニューヨーク証券取引所にも上場しています。最近は5Gが話題なので、成長性が気になって記事にしてみました。
インドネシア株式で構成されるブラックロックのETF「iシェアーズ MSCI インドネシア(EIDO)」にも組み込まれています。構成比率は上位第3位です。今後の成長が期待されていることが,組入比率からも分かります。
以下に記載の通貨は,インドネシアルピア(IDR)です。桁が多くて若干見にくいですが,ご了承ください。
ルピアを含め、新興国通貨は近年稀に見るとんでもない通貨安を引き起こしています。株価がいくら上がろうが、為替でもっていかれるのは少々痛いものがあります。なお、2019年10月現在、1ルピア=0.007662円 くらいです。
【テレコムニカシ・インドネシアの基礎的データ】
会社名 | テレコムニカシ・インドネシア |
ティッカー | TLKM |
業種 | 通信 |
設立 | 1974年 |
上場取引所 | インドネシア証券取引所 |
上場年 | 2004年 |
決算期 | 12月 |
配当支払い月 | 6月・12月 |
配当利回り | 4.04% |
【テレコムニカシ・インドネシアの株価】
2017年から順調に下落していましたが、一服したのでしょうか。上昇トレンドに返り咲いたとも見えなくもありません。インドネシアはまだまだ発展途上の未熟な国なので、長期的な視野で見れば右肩上がりに登っていくものと思われます。過去10年で見ても相当の伸びがありますからね。
テレコムニカシ vs ジャカルタ総合指数
- 橙:ジャカルタ総合指数
- 青:テレコムニカシ
10年チャートで比較してみます。2018年が底で,以降は盛り返してきています。ジャカルタ総合指数に追い付くのももう少しというところですね。10年間で見ると上がり下がりはありますが,右肩で上昇してきています。ジャカルタ総合指数も同様です。インドネシア経済が発展してきている証拠ですね。
【テレコムニカシ・インドネシアの売上】
売り上げは毎年確実に前年比を上回っています。一度たりとも前年割れをしたことがありません。非常に安定した売上推移です。みんなスマホが大好きなんですね。どんどん情報・通信の輪が広がっていけばいいと思います。インドネシアは若年層が豊富ですので、一人一台スマホが行き渡ればいいと思います。
【テレコムニカシ・インドネシアのEPSと配当金額】
EPSは揉み合いながら、ここ数年でやっと上昇トレンドが出てきました。配当金は、ほぼ横ばいで推移しています。もっと投資家還元をしてもらいたいものです。
【テレコムニカシ・インドネシアの配当性向】
配当性向はまだ余裕がありますね。どんどん株主に還元しなさい、と言っておきたいです。上がったり下がったりしていますが、安定した配当性向を保ってもらいたいものです。
【テレコムニカシ・インドネシアの営業利益・純利益・営業利益率】
営業利益はきちんと前年を更新し続けていますね。純利益も漸増です。
眼を見張るのが営業利益率です。2008年~2011年にかけて減少をした以降,回復しています。30%台の営業利益率は驚異的な高さであり,通信業の強みです。
日本のNTTドコモの営業利益率は約20%ですから,テレコムニカシは優秀な成績と言えるでしょう。
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【テレコムニカシ・インドネシアのBPS】
BPSは緩やかですが伸ばしてきています。2017年は6.8 IDRでした。
【テレコムニカシ・インドネシアのキャッシュフロー】
乱高下あります。
【テレコムニカシ・インドネシアのPER】
PERはどんどん高くなっていきますね。もっと下げればいいのにって思います。
(参考)アナリストコメント
・2018/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比4.3%増の32兆3,430億IDR、EBITDAが同4.1%減の16兆1,160億円、営業利益が同12.9%減の10兆8,780億IDR、純利益が同14.3%減の5兆7,340億IDRとなった。インドネシアのモバイル市場は厳しい競争にさらされたが、インターネット&ITサービス収入が同23.3%増と全体の業績を牽引し、増収を確保。インターネット&ITサービス収入は売上全体の49.2%に達した。一方、積極的なブロードバンドインフラの開発による維持管理費の増加が重荷となり、営業減益となった。総費用が同15.8%増の21兆4,650億IDRであった。
・サービス別の売上高と概況は以下の通り。データ・インターネット&ITサービスは、前年同期比23.3%増の15兆9,210億IDR。モバイル通信・固定ブロードバンドがともに伸びた。モバイルデータトラフィックは同2倍超の増加しており、IndiHomeの顧客数も同約2倍となった。音声通話・ショートメッセージは同17.6%減の10兆7,090億IDR。インスタントメッセンジャーアプリ(OTT)とのカニバリゼーションにより、音声通話・SMSともにトラフィックが減少した。固定電話は同17.1減の1兆5,460億IDR。モバイルサービスとのカニバリゼーションにより減収となった。接続サービスは同7.6%減の1兆1,730億IDR。他のオペレーターからの来電やショートメールが減少した。ネットワーク・その他は同51.7%増の2兆9,940億IDR。マネージドサービスが伸長した。
・同社は2018/4、ATMマネジメントサービスを手掛けるSwadharma Sarana Informatikaの51%の株式を取得した。この買収により、同社のエコシステムが強化されるとともに、金融業界向けICTソリューションの競争力向上につながると見ている。2018/12通期の市場予想は売上高が前期比6.2%増の136兆2,713億IDR、純利益が同6.0%増の23兆4,765億IDRである。
出所:モーニングスター
テレコムニカシ・インドネシア:まとめ
さて、いかがだったでしょうか。インドネシア株式のテレコムニカシ・インドネシアは。
インドネシアは,人口が世界で第4位の国であり若年層が豊富です。年老いた腐りかけの老人とは違い、若年層は通信端末を難なく使いこなします。そして、これからも人口は増加する見込みであり、インドネシアの人口ボーナスは2040年頃と言われています。現在のインドネシアの人口は2.7億人。人口ボーナス期には3億人を突破する見込みです。巨大な市場へと成長するでしょう。
なんと言ってもカギを握るのは携帯端末:スマホです。今やスマホは一人一台。これからは5Gの時代です。需要が伸びていくことは間違いないでしょう。1人で5台持ってもいいくらいです。
蛇足ですが,インドネシアの幸福度を見てみると,以下のようになっています。
- 2013年報告 76 位
- 2014年報告 n/a
- 2015年報告 74 位
- 2016年報告 79 位
- 2017年報告 81 位
- 2018年報告 96 位
- 2019年報告 92 位
- 出典:World Happiness Report
徐々にですが,インドネシアは幸福度の順位を下げてきています。インドネシアの経済は順調に成長しています。便利なものができてきて,生活も徐々に豊かになっていき….それに反するように幸福度が下がってくるのでしょうか?今後も継続的にウォッチしていきたいですね。なお,2019年報告によると,日本は58位でした。
インドネシア・東南アジア最大とも言える医薬品企業のカルベファルマについてです。
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