【企業分析】BLOOM ENERGY(BE)ブルーム・エナジー
【はじめに】
BLOOM ENERGY(BE) ブルーム・エナジーを企業分析してみようと思います。Fortune 100社のうち25社、Fortune 500社のうち42社がすでに採用しています。まだ上場したての新米企業です。燃料電池という技術を用い世に挑戦する革新的企業です。
近年、燃料価格の高騰や代替エネルギーの登場が話題になっていますが、固形燃料電池という新たな(?)分野で「クリーンで途切れることのない電力供給」を可能にするブルーム・エナジーは今後長い目で見て成長していくものと思われます。
日本では、ソフトバンクグループが出資をし、Bloom Energy Japanという合弁会社を設立しています。当然のことながら、日本も市場の一地域として注目されており、後述する企業等へブルーム・エナジー・サーバを導入しています。
最近の事例では、ニューヨークで大規模停電が起きた際に、ブルーム・エナジー・サーバーを導入していたホーム・デポでは停電にならずに営業を継続できたというもの。日本では停電はめったに起きませんが、米国は停電大国です。今この瞬間も米国のどこかで停電が起きているかもしれません。停電などの災害時には、燃料電池は非常に心強い存在ですね。
Fuel-Cell Powered Microgrids Keep Home Depot Stores Open
ブルーム・エナジーの基礎的データ
会社名 | ブルーム・エナジー |
ティッカー | BE |
セクター | 公共事業 |
創業 | 2001 |
上場取引所 | ニューヨーク証券取引所 |
上場年 | 2018年 |
決算期 | 12月 |
配当支払い月 | N/A |
連続増配年数 | 0年 |
従業員数 | 1,452人 |
Class A:58,462,298株
Class B:54,442,364株
出典:2018 FORM 10-K
ブルーム・エナジー・サーバーの特徴
ブルーム・エナジーの提供する燃料電池には以下のような特徴があります。天然ガス・バイオガスを燃焼せずに電気に変換するのが最大の特徴です。
ブルーム・エナジーの独特な燃料電池技術は、主に以下の3つの点で従来の水素燃料電池とは根本的に異なります。
- 低コスト材料:ブルーム・エナジーの燃料電池は、プラチナ等の貴金属や酸などの腐食性材料ではなくセラミックを用いています。
- 高い発電効率:60%超の発電効率を達成。従来の技術と比べ、約2倍の発電効率を実現します。
- 燃料柔軟性:ブルーム・エナジー・サーバーにはバイオガスと都市ガスのどちらでも使用可能。
通常運転の際には水を必要としないことは、これからの環境面や干ばつ地帯でも運用ができますので、大きなメリットと考えることができます。
日本と世界でのブルーム・エナジー・サーバーの導入事例
ブルーム・エナジーの主力製品とも言えるブルーム・エナジーサーバー。日本での導入事例を見てみましょう。
- 福岡M-TOWER(2013年)国内初号機
- 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(2014年)
- 東京汐留ビルディング(2014年)
- 大阪府中央卸売市場(2015年)
- ポーライト株式会社(2017年)
- 第一稀元素化学工業福井工場(2018年)
世界を見渡してみると、以下のような導入事例があります。何れも名の知れた大企業ばかりです。世界で初めてブルーム・エナジー・サーバーを導入したのはあのGoogleです。
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- Google(2008年7月 ):世界初導入
- ebay(2009年6月)
- ウォルマート(2009年)
- FedEx(2010年2月)
- Adobe(2012年1月)
- Yahoo!(2014年7月)
- Sutter Health(2014年8月)
- サンディエゴ大学(2016年12月)
- コカ・コーラ
- HONDA
- AT&T
- メドトロニック
出典:ブルーム・エナジー
ブルーム・エナジーの株価推移
上場来高値は2018年9月に36.59ドルを記録しています。これを境に決算の悪さも出て、株価は右肩下がりとなっています。直近では10ドルを切るような水準まで下落しており、一種の買い場と見ても良いかもしれません。
機関投資家の保有割合-2019年7月
ファンドの保有割合-2019年7月
機関投資家とファンドのブルーム・エナジーの保有割合上位です。出典はYahoo Finance。
ブルーム・エナジーの売上
2016年から2017年にかけて売上はおよそ1.8倍となっています。2017年から2018年にかけて売上は約2倍となっています。年を経るごとに売上は順調に伸びていることが伺えます。
ブルーム・エナジーのEPSと配当金額
EPSはマイナスです。当然ですね。早く事業を軌道に乗せて利益を上げていってもらいたいです。
ブルーム・エナジーは現在は配当は出していません。当然ながら配当金を出している余裕など無いわけですから、今後もしばらくの間は配当は出さないこともコミットされています。現段階では配当未払いでもいいので、事業規模を広げ、株価を上げ、将来的には株主還元として配当を支払ってもらえればいいと思っています。兎に角、配当を出している余裕すらないわけですので、まずはEPSをいち早くプラスに持っていくように事業に集中してもらいたいと思います。
ブルーム・エナジーの営業利益・純利益・営業利益率
営業利益・純利益・営業利益率とも若干回復はしているものの、プラス圏に入るまではしばらく掛かりそうです。2017年から2018年にかけては僅かながらプラスに推移しています。
ブルーム・エナジーのキャッシュフロー
キャッシュフローも当然ながらまだまだマイナスの粋を出ません。事業を軌道に乗せて逸早くプラスのキャッシュフローを実現してもらいたいものです。
ブルーム・エナジーの発行済株式数
ブルーム・エナジーのまとめ
まだ上場間もない企業なので情報が多くありません。業績も黒字に乗せてくるまでにはもうしばらく掛かるでしょう。長い目で見守っていく必要があるでしょう。
現在は赤字垂れ流しの企業ですが、電源・燃料というのは人のライフラインであり、生活をしていくうえで必ず必要なものです。米国では年々人口も増加し、且つ停電大国であることもあり、電源・燃料というのは緊急の課題であることは言うまでもありません。企業の成長というのは一朝一夕ではいかず、IoT・AIが主体となる我々の将来へ向けて、末永く見守っていきたい企業のひとつですね。
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