【企業分析】ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)
【はじめに】
あなたはたばこを吸うでしょうか?
日本では日本たばこ産業(JT)が日本のタバコを牛耳っています。JTも巨大な企業で且つ高配当銘柄として日本では有名です。しかし、世界を見渡すと他にも巨大なタバコ企業が存在します。米国株投資をしている人の間で有名なのはフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)、アルトリア(MO)、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)あたりでしょうか。今回はそのブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)に焦点を当てて見ようと思います。
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)はイギリスのタバコ企業です。2017年7月にアメリカのレイノルズアメリカンタバコを買収したことがきっかけで世界第一位に躍り出ました。タバコ企業にとって喫煙者はカモです。
配当金を継続的に得たい場合は投資対象としてとても魅力的な企業です。株価は近年下落気味ですので,買い付けにはもってこいの時期ですね。
なお、本稿で示す通貨単位はGBPですので、ご注意ください。
【ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)基礎的データ】
会社名 | ブリティッシュ・アメリカン・タバコ |
ティッカー | BTI |
セクター | タバコ |
創業 | 1902年 |
上場取引所 | ニューヨーク証券取引所 |
決算期 | 12月 |
配当支払い月 | 2月・5月・8月・11月 |
【ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)の株価(1993年~2018年)】
さっそくブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)の株価を見てみましょう。
今年11月、米国食品医薬品局(FDA)が米国でのメンソールタバコ販売規制声明を発表しました。米国においてメンソールタバコの販売を禁止するというものです。ブリティッシュ・アメリカン・タバコの主力製品はメンソールであり、売上の25%をメンソールたばこが占めます。主力商品の販売ができなくなるということは、当然のことながら米国での売上減少が懸念されます。これを嫌気され株価が暴落しました。
BTIに限りませんが、タバコ銘柄はこういった規制の危険性に昔から常に曝されています。最近では電子タバコが普及してきましたが、いずれは電子タバコも何らかの規制の対象となり市場参加者を驚かせることになると私は思っています。また、喫煙者の数が年々減少しているという点からも、タバコ銘柄は常に不人気であることは歴史の証明するところです。
しかしながら、不人気銘柄を定期的に購入し続けることで、受取配当金を増やし、さらに配当再投資によって保有株数を着々と積み増すのが鉄壁の防御と攻めになります。この戦法にはタバコ銘柄はうってつけでしょう。
【3大タバコ銘柄比較(1998年~2018年)】
タバコ銘柄3社を比較してみましょう。
- 紫:PM
- 青:BTI
- 黄:MO
PM(紫)はスピンオフしてからまだ間もないですが成績は最も良いですね。次いでBTI(青)です。BTIは素晴らしいほどの下げ具合です。10年前の水準までに落ちていますね。
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI) vs S&P500(1993年~2018年)
ブリティッシュ・アメリカン・タバコは長らくS&P500をアウトパフォームしていましたが、今年の年末の下落で一気にS&P500を下回りました。FDAによる米国でのメンソールたばこ販売規制です。一気に10年前にリセットです。絶好の買い場だと私は考えています。
【ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)の売上】
まずは売上を見ていきたいと思います。安定的な売上を維持していますね。近年世の中は禁煙志向ですが、タバコはまだまだ需要があることが伺えます。
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【ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)のEPSと配当金額】
2017年のせいで若干見にくいグラフですが、配当金は着実に伸ばしてきています。
BTIの特徴として外国源泉税率が低いというのも挙げられます。直近のBTIの外国源泉税率は0.0%でした。配当金を重視する投資家からすると、非常にありがたい銘柄になりますね。
【ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)の配当性向】
60~70%台の配当性向です。やや高めという印象ですが、まだ配当金を吐き出す余裕はありそうです。
【ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)の営業利益・純利益・営業利益率】
営業利益率は驚異の30%台をここ数年はキープしています。
【ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)のBPS】
純資産は徐々に減少してきています。
【ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)のキャッシュフロー】
グラフから、順調にキャッシュフローが増加していることが見て取れます。
【ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)のPER・PBR・配当利回り】
【ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)のROEとROA】
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)のROEを見てみましょう。ROEは非常に高い水準を保っています。
【ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)の発行済株式数】
2017年に株式数が突出して高くなっています。
【まとめ】
さて、いかがだったでしょうかブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)は。
当局のタバコ規制と常に闘いながら業績を伸ばしてきたBTIです。BTIに限りません。タバコ銘柄はいつの時代においても「悪」として規制当局から目を付けられ厳しい規制を受けてきました。しかしながら、過去から現在までの株価推移を見ると、それでも成長してきているというのが事実です。懸念材料は減配ですが、その時は甘んじて受け入れましょう。
タバコには将来まだまだ成長余地があると私は考えています。
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